会社員時代の出来事を15~20回程度の連載予定です。
・対人恐怖症~就職まで
私は高校の高学年から軽度の対人恐怖症になりました。
赤面恐怖からはじまり、笑顔恐怖、視線恐怖症を患いました。大学入学後も、サークルなどにもなじめず、コミュ障を覆い隠すように逆転を狙い、会計士を目指しました。しかし、努力の甲斐もむなしく惨敗してしまいました。
惨敗後、本格的な対人恐怖となります。そしてついに引きこもに・・・家族とも会いたくないために、ペットボトルにおしっこをするところまで追い込まれました。
引きこもりはすぐには治りませんでした。就職活動もせずそのまま卒業をしてしまい、ニート生活に突入しました。
ニート生活の頃、哲学と心理療法に出会い、心の在り方を見直しました。苦しみながらも引きこもりに区切りをつけ、フリーター生活を始めるようになりました。
フリーター生活を半年ほど続け、やっとのことで、就職活動をする気持ちになることができました。就職活動では、職歴なし、資格なし、就職氷河期という地獄モードでのスタートでした。
案の定、エントリーシートではじかれ続け、王道のやり方をしては確実に就職できないと悟った私は、「企画書を30枚創る」という変則手をひねり出し、なんとか就職することができました。
対人恐怖症克服記85 就職活動編1 引きこもりからの就職活動
今回から「会社編」を連載します。会社員編は15回前後になると思います!
早速のプチ出社拒否
内定の通知には「出社可能日はいつですか」という記載がありました。
すでにバイトを辞めていた私は、明日からでの出社も可能でした。しかし、就職活動で燃え尽きていたのか、全身の細胞が出社を拒否しはじめました。
細胞A いきたくねえ!
細胞B まだ社会に出たくない!!
細胞C 無理っす!
細胞D 気絶しちゃうぜ!
とダークサイドが活性化し、圧倒的多数を獲得したのです。そこで私は、
「今の職場(バイト先)に退職する旨を告げたので、3週間後から出社可能です」
と華麗な嘘をつき、早速のプチ出社拒否をすることにしました。ドキドキしながら返信メールをみると、あっさりとOKの許可が下りました。
とりあえず当面の問題を回避できたことに安堵しました。そもそも半年前まで引きこもりだった人間が気が付いたら正社員になっていたのです。これだけでも相当無理をしてきました。
行動療法の教科書には
・少しずつステップアップしていくのが回復のコツですよ!
・いきなりジャンプはやめたほうが良いよ!
と書いてありました。私は心理療法的正しい治療を続けているのだ!と「*知性化」をして心理的な防衛をはかりました。そしてこの3週間を社会人になるためのリハビリ期間として、早起きやビジネスマナーを学ぶ時間に充てることにしたのです。
出勤の喜び
しかし、そんな目標を達成できる程、私の心が強いわけがありません。まともな社会人になることが怖くなってきて、出社鬱のような状況になっていました。
つまるところ、早起きできたのは初日だけでした。
結句、吸い込まれるように雀荘に行くようになりました。麻雀をしている瞬間は何も感じないで済むのです。
3週間は
麻雀をしたり・・・
麻雀をしたり・・・
麻雀をしていました・・・
結局生活リズムが崩れたまま・・・
それでも時間は私のために待ってはくれません。
出社初日が容赦なくやってきたのです。
*知性化(intellectualization)
不安感や満たされない感情を専門用語で解釈することで観念化し、情緒から切り離す精神分析による防衛機制。
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・川島達史 1981年生まれ
・公認心理師 精神保健福祉士 心理学大学院修了
・社交不安症専門カウンセラー
・ご相談はこちらからお待ちしています
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