引きこもりから起業ニートになった私は、コミュニケーション講座を創るという目標を立てました。修行のため5万円の研修に参加すると、パワー系講師からスピーチをせよ!という課題が出されました。
お題は特に決められておらず、3分間好きな話をするというものでした。講師曰く、魂があればスピーチは自然とよくなる!とのお言葉を頂きました。
順番を決めると、私は4番目でした。
続く罵倒
1番目のスピーカーはまじめ系サラリーマンの方でした。
スピーチはスムーズです。あがっている感じはありません。平均的なスピーチではありますが、心のこもったスピーチのような感じました。皆同じ気持ちになったのか拍手をしていました。
しかし、先生は腕組みをしたままです。
「まだまだ、まだ魂を感じない」
もう一度後でやるように!」
とのお言葉を頂きました。サラリーマンはしゅんとしてしまい、席に帰りました。残りの参加者も同じように、魂の入っていないスピーチをしてしまい、先生に怒られました。
チャレンジしたスピーカーはことごとく玉砕していきました。
すた丼への愛を語る
そうしていよいよ私の番になりました。スピーチのネタはフリーです。なんでも良いというのは一番困った話です。そもそも私は話し方教室に来たのに何1つ話し方について学んでいないのです。非常に困りました。
さらに言えば、私は究極のあがり症でした。人前で話す経験など、それまでの人生でほとんどありませんでした。もしあがり症・日本ランキングがあったら1億2000万人中、350位ぐらいだったと思います。
しかし、人生の試練は早くもきてしまうものです。いよいよ私の番が来ました。ひとまずですが、当時好きだった、国分寺のスタ丼の話をすることにしました。
スタ丼は国分寺に周辺に住んでいる15~25歳の男子はほぼ100%食べたことがあるという、ソウルフードなのです。
明らかにペラッペラの安いそうな肉なのに、絶品のたれで食べると、非常に下品でおいしく食べられるのです。
ラーメン二郎の、丼バージョンと言ったところでしょうか。私はもう100杯近く食べていました。
*スタ丼 ホームページより転載
パニック
私はスタ丼の話を、がちがちに緊張しながら、スピーチを決行しました。
おそらく人生でまともにスピーチをしたのは初めてだったと思います。話している間頭が真っ白になり、何を話しているか自分でも分からなくなってしまいました。
先生は腕組みをしたままでした。
そうして、私がスピーチが終わった後に、
重々しく口を開いたのです。
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・川島達史 1981年生まれ
・公認心理師 精神保健福祉士 心理学大学院修了
・社交不安症専門カウンセラー
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