社交不安改善コラム

対人恐怖症克服記111 会社員編5 突破口見つかる

 

 

引きこもりから脱出して、就職をした私は、早速追い込まれ始めました。それは就職先の語学力の高さです。英語、中国語がペラペラな方が多く、語学力が低い私は相当浮いていました。

 

さらには精密機械を扱っている会社なので、日本語ですら、ちんぷんかんぷでした。

 

 

例えば、

「センサをプローブに格納し、

 DETECTION モードの感知速度は1秒と

 高速で漏れを判定します」

 

 

こんな感じのやりとりが一日中続いているのです。理解不能な言語をずっと聞いていると、人間結構精神をやられてきます。

 

このまま漫然と仕事をしていると、語学力の無さ、製品の無理解が露呈して、会社的に居場所がなくなることが明白でした。

 

 

麻雀の思考を活用する

 

 

このとき役にたったのが、またしても麻雀的な思考でした。麻雀は相対的なゲームです。必ずしも、「王道の手」が正着打にならないケースがあります。

 

例えばAさん、Bさん、Cさんが、「王道の手」を上がりにいくとします。するとAさん、Bさん、Cさんの欲しい牌が同じになるので、同じ牌の取り合いになり、結果的に誰もあがれないという現象がよく起こりるのです。

 

そこで麻雀では、Aさん、Bさん、Cさんが同じ趣向があるときは、別の手を狙いに行くという戦略が有効になることがあります。

 

 

周りと逆を行く

 

 

自分の手が腐ってたら、別の変則手を上がりにいく。これは麻雀でいつも訓練してきたことでした。

 

これを会社に応用すると、

 

語学がみんな強い → だから語学力を高める!

 

では自分の価値を示すことができません。みんなが持っている価値はレッドオーシャンで競争が激しすぎるのです。そこで、入社早々私は語学とは別の価値を示すことができないか?考えるようになりました。

 

 

他人との違いを模索する

 

 

入社1か月ぐらいたつと、有賀さんから会計の仕事も手伝わされるようになっていました。そこでわかったことは、 有賀さんは経理的な仕事が、ちんぷんかんぷん、だったのです。

 

 有賀さんは確かに、英語はペラペラ、中国語も操り、マナーも素晴らしく、いつもミニスカをはいてきてくれる才女です。しかし、なんらかの能力が高いということは、同時になんらかの能力を高める時間を失っているのです。

 

社長が後ろの席で、

「今月の損益分岐点、いくらかなあ・・・」

 

とかぼやいていても有賀さんはポカンとしているといいますか、「シカと」していました。それどころか有賀さんだけでなく、社内の誰ひとりとして、社長のつぶやきに反応しません。ただの独り言になってしまうのです。

 

 

社長は経営的な話ができないという状態にありました。

 

 

突破口が見つかる

 

 

 (損益分岐点ぐらい誰か答えてやれよ・・・)

 

と感じた私は、思い切って、クルッと後ろを向きました。社長の目の前にいるので、クルッと回転するだけで速攻社長面談となります。

  

「社長・・・3年分の月次損益計算書見せてもらっても良いですか」

 

と言うと社長は

 

「おお・・いいよいいよ・・・」

 

と言って新人の私に面白がって見せてくれるのです。

 

損益分岐点ぐらいは、損益計算書を見れば、すぐに出せますので、2分ぐらいで計算しました。すると社長はえらく喜んでくれたのです。

 

 

私は

 

 

ここに活路があり!

 

 

っと直観的に判断しました。

 

 

 

 

 

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・川島達史 1981年生まれ
・公認心理師 精神保健福祉士 心理学大学院修了
・社交不安症専門カウンセラー
・ご相談はこちらからお待ちしています
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