引きこもりから脱出して、私はどうにか就職先をみつけました。
しかし、就職先は語学力、理系スキルが鬼のように高く、地を這うスペックの私はさっそく追い込まれていきました。しかし、会社運営の基礎である経営学を理解している人がいないことが解ったのです。
こんなで良いの?と拍子抜け
月次の損益計算書を見て、損益分岐点すぐさま割り出すと、社長はとてもびっくりしていました。
私は正直、
なんだ・・・こんなことでびっくりされるのか。
と拍子抜けしてしまいました。
というのも損益分岐点なんて、経営の基本の「き」です。方程式さえ理解していれば中学生でも解けてしまいます。損益分岐点ぐらいでびっくりされるなら、いけるかもしれない・・・私は希望を持ち始めました。
経営ツイッターに即レス
社長はツイッターのように、経営に関することをボヤく癖がありました。例えばその会社は毎年、キャンペーン期間に2000万ぐらいのチラシを作成して、全国に配るという営業方針を立てていました。
確かに利益は出ていたのですが、なぜか年々チラシによる利益の幅が減っていました。じりじりとチラシの効果が下がっている時に私が入社したのです。
ある日社長が
「ことしもチラシ刷ろうかな~どうしようかな~」
とぼやきました。
これに対して私は
「チラシですと資産化しない投資になるので、
ネットの方が効率良いかもしれないですよ。」
と返しました。
社長は
「ん?どういうことかね?」
と聞き返します
私は
「チラシですと確かに短期的な反響はあるかもしれません。しかし、ほとんどが捨てられてしまうので、持続性が薄いです。
ホームページですと、投資しして創った分は、無くなることがありません。チラシは捨てられますが、ホームページは捨てられることがなく、ずっとweb上に残るのです。
チラシはゴミ箱行きの宿命ですが、ホームページページにゴミ箱はないのです。永続的な営業が可能となります」
似非経営学でレスを返す
当時はITについての理解している社長さんは少ない時代でした。
古い営業手法に頼っていた、社長としては「なんだこいつ!おれの知らないことを知っているぞ!」とびっくりしていました。
それからというもの、社長の経営ツイッター発言に、クルクルクルクル振り返って、則レスするというポジションを確立したのでした。
一日5,6回はクルクル回転していました。
高校生の頃から8年間、経営に関する知識を詰め込んできたことが、ここで活きたのです。
孤独な社長のカウンセリング
私も実際に自分で起業してみてわかったことですが、経営者は本当に孤独です。
孤独の塊と言っても良いと思います。砂をかむような思いをしているとき、解決するしないにかかわらず、そっと悩みを受け止めてくれる人がいるだけでとても嬉しいものです。
私は相当的外れな回答も何度かしていたと思います。それでも目の前に話相手がいるというのは、社長にとって嬉しいものだったのだと思います。
こうして私は社長の目の前で、似非経営学を駆使した、社長のメンタルヘルス業務というポジションを確立し、どうにか会社の中で必要とされる人材になることができたのです。
そして社長の目の前という、ある意味で最高に贅沢な環境で、リアルで実践的な経営学を学ぶことになるのです。
それは既存の価値感を破壊することの連続でした。
*********
・川島達史 1981年生まれ
・公認心理師 精神保健福祉士 心理学大学院修了
・社交不安症専門カウンセラー
・ご相談はこちらからお待ちしています
*********