社交不安改善コラム

対人恐怖症克服期13 お前はフラれたんだ

高校1年の頃、私は生れて始めて女子とデートをしました。しかし、対人恐怖症が始まっていたため、苦しくて仕方がありません。

好きであればあるほど、辛いのです。結局、1時間散歩するだけでデートを終了してしまいました。

苦痛からの解放

やっといつもの自分に戻れる・・・
やっと表情を気にしなくて済む・・・

私は緊張から解放され、心の底から安堵し、放心状態になっていました。

 

家に帰ると、すぐに不安が襲ってきました。

会話が全く盛り上がらなかった・・・
彼女は楽しめなかっただろう・・・
もう会えないかもしれない・・・

ネガティブな考えがあたまをグルグル回ります。

 

メッセージは送らない

恋愛の経験があれば、自分からメッセージをして、

積極的にアスカさんに気持ちを伝えるべきです。

しかし、メッセージを送ったところで、もはや返ってくる見込みはないと感じていました。

通学路ですれ違う時、辛うじてかっこいい認定されていた私は

きっとデートで全くの虚像であったと思われたに違いないと思い込みました。

 

一度でもメッセージをしてしまえば、

「返信待ち」の状態になり、

苦痛は倍増してしまいます。

 

メッセージをしなければ

「返信待ちの状態」にはならず

メッセージを打っていないから返信がないという

言い訳じみた保険をかけることができます。

私は苦しみから逃れるため、メッセージを送りませんでした。

 

鳴らないポケベル

一方で、わがままなことに、アスカさんが、もしかしたらメッセージをくれるかもしれないとも一抹の期待もしていました。まだ私の不細工がバレておらず、どうにか「かっこいい」イメージを保てたかもしれない・・・とわずかな希望もありました。

 

しかし、ポケベルは鳴りません。

2時間・・・

3時間・・・

4時間・・・

いつまで経っても鳴りません。

 

 

ポケベルの画面を眺めると

「メッセージハアリマセン」

と書いてあります。

 

5分おきに確認する度、

「メッセージハアリマセン」

という文字を読むことになります。

 

だんだんとそのメッセージが

「オマエハフラレタンダ」

と責めている文章な気がしてきました。

 

はあ・・・やっぱりだめだったか・・・私は不貞腐れ、深いため息をつきました。

 

私は、画面を見るのが嫌になり、ポケベルを布団の奥底に投げ込みました。そして、今日の不運を流し去るべく、風呂に入ることにしました。

 

 

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・川島達史 1981年生まれ
・社交不安症専門カウンセラー
・公認心理師 精神保健福祉士
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