社交不安改善コラム

対人恐怖症克服記136 起業迷走編6 1ミリの前進

 

 

独立をしようと会社員を辞めた私ですが、自信をつけるために、フリーマーケットにチャレンジすることにしました。

しかし、初日は対人恐怖心性が覚醒し、直前に逃亡してしまいました。2日目は心理的に持ち直し、どうにかフリマ会場にたどり着きました。

 

 

恐怖を煽る心の声

 

 

遠目から見ると、先日は3組だった出店が5店舗ほどに増えていました。心臓が再び震え始めました。

 

 

「ほらほら!どうせ恥をかくだけだぞ。さっさと帰ろうぜ。どうせお前には無理なんだよ。このまま進んでいくなんて無理無理!」

 

 

恐怖を煽る心の声がまとわりついてきます。

 

 

私は深呼吸をしながら

 

(恐怖とはうまく付き合い、目的に生きる

 恐怖とはうまく付き合い、目的に生きる)

 

 

と心の中でつぶやきました。恐怖がゼロになるわけではありません。それでも1分ほどたつと、どうにか前に進む気力がわいてきました。

 

 

好奇の眼差し

 

 

そうして顔面蒼白になりながらも、どうにか私は会場にたどり着きました。

出展者の方々が、自転車に積んだごみのような商品を、好奇の眼差しで眺めているのがわかります。

 

 

「・・・・し・・・主催者の方はいますか?

 出店登録をしていた川島と申します」

 

 

と告げました。すると白いひげを蓄えた50代の男性が現れ

 

 

「ああ・・・川島さんですね。お待ちしていました。昨日はどうされたのですか?」

 

 

と話しかけてきてくれました。

その白いひげの男性の好々さは、どこかカウンセラーのような雰囲気がありました。目じりに笑い皺が深く刻まれていました。おじいちゃんが孫を出迎えるような暖かさを感じ、恐怖が和らぎました。

 

 

「風邪をひいていました。すいません。」

 

 

と、軽く説明すると、その男性は場所を割り振ってくれました。

 

 

人生ではじめての出店

 

 

こうして私は、どうにかこうにか初めて自分のお店を構えることになったのです。

 

 

恐怖と付き合い、目的に生きることができた・・・

 

 

私は自分の出店スペースにへたり込んでしまいました。不思議な高揚感で体がポカポカと暖かくなっていました。 

小さな小さな前進だったけど、どうにか前進した・・・

 

 

1っ歩どころか1ミリしか前進していないことはわかっていました。されど自分にとっては大きな1ミリの前進でした。

 

 

そうして人生初めてのビジネス?がスタートしたのです。

 

 

 

 

 

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・川島達史 1981年生まれ
・公認心理師 精神保健福祉士 心理学大学院修了
・社交不安症専門カウンセラー
・ご相談はこちらからお待ちしています
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