引きこもりから起業ニートになった私は、コミュニケーション講座を創るという目標を立てました。
修行のため5万円の研修に参加すると、パワー系講師からスピーチをせよ!という課題が出されました。私はガチガチに緊張しながら、スタ丼をテーマにスピーチをしました。
しかし、何を言っているのかわからないぐらいあがってしまいました。スピーチが終わると先生は重々しく口を開きました。
圧倒的罵倒
「川島くんは、頭脳型の話し方をしますね。
魂を感じない!心がないです!
すた丼への愛や魂を感じません!」
と根こそぎスピーチを批判されたのです。
そして講師は続けます。
「スピーチを見ていた皆さんはいかがでしょうか?川島さんのスピーチは魂がこもっていましたか?遠慮は不要です。川島君のためですから。」
すると他の生徒さんも
「頭で話している感じがする」
「心で話していない」
「魂がない」
とさんざん罵倒してきました。挙句の果てに、私が新宿御苑のイチョウの木の下で告白するはずであったアイドルも罵倒に加わりました。
先程までの可憐でかわいらしい表情はどこかに行ってしまい、
「嫌いな話し方」
「第一印象から暗い」
*無料 写真 ぱくたそさんより転用
と批判してきたのです。
24歳の男子にとって、片思い中の娘から「暗い」などと言われることは、極めてショッキングでありまして、私に限らず世界中の男子が
人生における異性から言われて傷ついた一言ランキング
に確実に入賞してくることは間違いないのであります。きっついお言葉を頂いた私は、失恋も相まって、半泣きになってしまいました。
「ああ・・・そうですか・・・確かに感情がこもっていない話し方になっているかもしれません・・・」
とショックをうけて、皆様に反省の弁を述べたのでありました。
魂わずかに出る
泣きそうになっている顔を見ると、講師が
「ああ!川島君!今少し出ているよ!魂」
とおっしゃるのです。
どうも私は、罵倒をされることで初めて心の殻を破り、いくばくかの魂を発露することに成功したようでした。
講師は、
「 今の感じでそのまま次の順番の時に、魂を込めてスピーチをしてみてください。」
と課題を出してくれたのです。そうして、2巡目のスピーチがはじまりました。
この2巡目のスピーチから会場の空気がますますおかしくなっていくのです。
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・川島達史 1981年生まれ
・公認心理師 精神保健福祉士 心理学大学院修了
・社交不安症専門カウンセラー
・ご相談はこちらからお待ちしています
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