引きこもりから起業ニートになった私は、ダイレクトコミュニケーションを設立しました。
しかし、広告の壁にぶつかり、お客様が1人も集まらないという日々が続きました。挙句の果てに5年間付き合った彼女に別れを告げられてしまったのです。
過去の勉強を思い出す
まどろみのなかで部屋を景色のように眺めていると、今まで勉強してきた心理療法や哲学の本が沢山あることに気が付きました。
そういえば私は、一度これらの本に救われたのでした。どうにもならない引きこもりから、フリーターになり、会社員になったのでした。
今もつらいですが、当時も相当つらかったはずでした。
もう一度原点に返り、哲学と心理療法を試してみようかな・・・私は無気力の渦の中にわずかながらの気力の種を見つけ、本棚からソクラテスの本を出しました。
ソクラテスの本は何度も読んだので棒線だらけになっていました。以前の記憶がよみがえってきました。
ソクラテスは「問答法」で有名な哲学者です。問答法とは、とにかく質問を繰り返して、本質を探していく手法です。
ソクラテスと話し合う
私は、引きこもりの時によくやった問答法を3年ぶりぐらいにやってみることにしました。
「起業をして、講義も作ったけど、広告手段がありません。貯金ももうないです。彼女にも愛想をつかされてしまいました。」
「広告手段がないってどうしていえるんだね?」
「いや・・・電車の広告は資金的に不可能です。新聞チラシも資金がありません。ホームページもお金がかかります。自分でチラシを配っても誰も引き合いをくれません。」
「君なりに頑張ってきたようだね。ただ、それだけのことで、なぜ広告手段がない。と言い切れるんだ?何か証拠はあるのかね?」
「いや・・・証拠はないです・・・。でも色々調べたんです。それでもだめでした。」
「色々調べたってどれぐらい調べたんだ?」
「2か月ほどです。」
「2か月で調べて切ったと言っていいのかね?そう言い切っていい根拠はあるのかね」
「いや・・・確かに・・・ないです・・・」
ソクラテスは励ましてくれる
ソクラテスと問答法をすると必ず敗北します。
しかし、同時に励まされた感じがしました。こんな問答を繰り返しても何一つ経営的な問題が解決したわけではありません。
しかし、ソクラテスに敗北すると、私はチャンスが完全に潰えたと言い切れなくなりました。哲学はどん底の時に本当に人生を励ましてくれると感じました。
こうして哲学に励まされると、私は依然と同じように心理療法を改めて実践してみました。
認知行動療法、森田療法、絵画療法、交流分析、問題解決療法・・・1週間ほど取り組んだと思います。
そしてそのセルフカウンセリングの中で、私はポジティブな発見をすることになります。それは改めて心理療法の重要性に気がついたということでした。
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・川島達史 1981年生まれ
・公認心理師 精神保健福祉士 心理学大学院修了
・社交不安症専門カウンセラー
・ご相談はこちらからお待ちしています
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