元引きこもりの私は、25歳の頃に400万円を貯め、コミュニケーション講座を開催することにしました。
講師デビューは吉祥寺にある、ダンススタジオでした。鏡張りの部屋で出来立てホヤホヤ。吉祥寺らしいおしゃれな作りになっていました。
会場に着くと
「こ、ここが会場です」
と、ひきつった表情でメンバーに伝えました。
お茶会で少しだけほぐれた空気も、会場に着くと途端にプレッシャーが襲いかかってきました。
会場を整えていると、お茶会に参加しなかった生徒さんも続々と増えていきました。最終的に初回の講座に7名いらっしゃいました。男性6人、女性1名でした。
円を作るように座って頂き、教材を配り終えると、まだ10分近くありました。
すると・・・
どこか違和感のある空気が流れ始めました。
生徒さんは誰一人として会話をすることがなく、気まずい沈黙が会場を包んでいたのです。
経験を積んだ今であれば、軽く雑談をして当然のようにアイスブレイクをするところなのですが、25歳の私はいっぱいいっぱいになっていました。
どうしよう・・・どうしよう・・・
心臓がバクバク異常な速さで動いていることがわかります。シーンとした重苦しい空気はどう考えても「楽しいコミュニケーション」にそぐわない空気感です。
そのシーンとする空気はそのまま私へのプレッシャーとなします。(おいおい先生なんだろ・・・この空気なんとかしてくれよ・・・)そんなことを思われている気がしました・・
心臓のバクバクはこれまでにない、強さになっていきました。
冷静にならなきゃ・・・
もう始まるんだぞ!
やばいよ・・・
もう生徒さん来てるんだぞ・・・
あれ・・・
やばい・・・
身体がおかしい・・・
汗が止まらない・・・
倒れるかも・・・
冗談抜きで気絶する!!
異常を感じた私は、
「ちょっとトイレへ・・・」
と小ささな声で告げ
なんと初めての生徒さんを会場にほったらかしにして、トイレにプリズンブレイクしてしまったのです!!
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・川島達史 1981年生まれ
・公認心理師 精神保健福祉士 心理学大学院修了
・社交不安症専門カウンセラー
・ご相談はこちらからお待ちしています
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