社交不安改善コラム

対人恐怖症克服記29 18歳は女子でバグる

対人恐怖症を抱えながら大学生になった私は、日商簿記の勉強をはじめました。そして運よく横山君と言う仲の良い友人ができました。横山君のおかげで、当初はつまらなかった大学生活がいくばくか楽しくなっていきました。しかし、横山君と私には共通する1つの悩みがありました。

 

それは

「女っ気のなさ」

でした。

 

女子でバグる

大学には青春を謳歌する女子大生がたくさんいました。彼女らは、禍々しいほどに綺麗でした。18歳の男子の脳は、女子をとにかく追いかけるようにできています。

女子が目の前を通れば、ばれないように顔を見ます
女子が目の前の席に座っていれば、ぼうっと背中を眺めます
女子が隣の席に座れば、心臓がどきどきして喜びに震えます

これは脳の仕組みの問題であり、全漢がそう反応にするようにできているのです。

女子と会話をしたい!女子と会話をしたい!
女子と会話をしたい!女子と会話をしたい!
女子と会話をしたい!女子と会話をしたい!

18歳の私の脳は、日に日にバグっていきました。対人恐怖だった私も「性欲」という強烈な核融合エネルギーにより、人と会話はしたくないけど、女子と会話はしたい!という欲求にかられました。

 

声をかける!決心

そんな折、簿記の講義に、同じクラスの女子が参加していることに気が付きました。オリエンテーションの頃に、おずおずと教室に入ってきた、控えめで、優しそうで、穏やかな印象の黒髪の女の子でした。

講義は1人で受けているようで、どこか寂しそうな印象がありました。スーパーサイヤ人と化した、新歓コンパの女子大生と比べると清楚でかわいらしく、私は好感を持ちはじめていました。どこか自分と同じ同類の印象があったのかもしれません

私は、簿記の講座を受けるたびに、彼女を目で追うようになっていました。そして、その想いは日に日に強くなりました。

私は横山君に「思い切って声をかけないか?」と相談しました。横山君も、男2人でつるんでいることに嫌気がさしていたようで、二つ返事でOK!と返してくれました。

恋愛戦闘力ゼロ

しかし、私は6年間ほとんどまともに女の子とコミュニケーションができなかった人間です。対人恐怖、視線恐怖、笑顔恐怖、爪噛み癖がある、そんな人間が、声をかけるなど、恐れ多い行為でした。残念なことに、横山君もパッとしない大学生で、女子に積極的に声をかける力量を持っていませんでした。横山君にはがっかりです。

2人で作戦会議をするも

断られたらどうしよう・・・
気持ち悪いと思われないだろうか・・・
キョドっていると思われないだろうか・・・

このような梅雨時のようなジメジメした議論ばかりでした。

しかし、ここで逃げてしまうと本当に自分のことが嫌いになってしまうと感じました。たとえダメでも、勇気を出した自分には納得できる。何より女子を話したくて仕方がありません!議論の果てに、私と横山君は人類のオスが脈々と行ってきた、

「女子に声をかける」

という一大イベントを決行することにしたのです。

 

不毛なシュミレーション

「よし、まずはシミュレーションだ!」

私たちは声をかける前にまずは練習することにしました。私たちは早速、放課後に女子への声掛け練習をスタートしました。片方が女の子役、片方が声掛け役になり、ロープレを繰り返します。

声掛け役:
「あの…いつも隣の席に座ってますよね?」

女の子役:
「え?あ、そうだっけ?」

声掛け役:
「(焦って)あっ、すみません!なんでもないです…!」

女の子役:
「(苦笑)…大丈夫?」

反省点:笑顔が不気味、 面白くない

声掛け役:
「えっと、教室で見かけるたびに思うんですけど…髪型、変わりました?」

女の子役:
「え?いや、ずっと同じだけど…」

声掛け役:
「(動揺)そ、そうなんですね!…すみません!」
→ 反省点: いきなり容姿をほめて気持ち悪い

 

こんな形で不毛な素振りを続けました。

練習を繰り返し、自信?をつけた私は、ついに女子に声をかけることにしたのです。そしてこの声掛けにより、最終的に絶望的な失恋をすることになるのです。

 

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・川島達史 1981年生まれ
・社交不安症専門カウンセラー
・公認心理師 精神保健福祉士
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