対人恐怖症を抱えながら、孤独な大学生活を送っていた私ですが、念願の友人が2人できました。それは横山君(男子)と橋本さん(女子)です。
しかし、女子に飢えた男子2人、女子1人という集団はハイリスクでした。当然のように3角関係に発展してしまったのです。
独占欲が強くなる
橋本さんはとても穏やかで、安心して話せる女の子でした。男子校育ちで緊張しっぱなしの私でも、リラックスして過ごせました。この時期は少しだけ対人恐怖が改善していたように思います。私はそんな橋本さんに惹かれ、どんどん好きになっていきました。
同時に芽生えたのが彼女に対する独占欲でした。半年ぐらいは3人で遊ぶことが多かったのですが、段々と横山くんが鬱陶しくなってきたのです。私は次第に抜け駆けするようになり、どうにか口実をつけて橋本さんと2人で遊ぶようになりました。
横山君の抜け駆け
そんな折、ある事件が起こります。その日は、久しぶりに3人でご飯を食べていたのですが、橋本さんが何気なく、「横山君、美術館素敵だったね」と話しはじめたのです。橋本さん、横山君、2人とも、ハッ・・・しまった!という表情になっていました。
私はパニックになりました。
え?2人で遊んだの??
(俺、誘われてないんだけど…)
え?どこ行ってきたの?
私は、自分自身が横山君に秘密にして、橋本さんと遊んでいることを棚に上げ、横山君を尋問し始めました。
横山君も気まずい表情をしながら、説明をし始めました。聞くと、美術館に横山君が誘って、お茶をして帰ってきたようです。
裏切られたという感覚
横山君は大学生活で出会った、唯一の友人でした。実家に連れてくるまで信頼していました。橋本さんも、私にとって恋の相手でした。私は、2人から裏切られたような気がして、とてもショックでした。
なぜ横山君は、私を誘ってくれなかったのか?おそらく横山君も、私の抜け駆けを知っていて、裏切られたと感じていたのかもしれません。私に対して少なからず、不信感を持っていたのだと思います。
私も3人で遊ぶことに以前ほど前向きではなかったので、それなら2人で…と考えたのでしょう。私が横山君に、橋本さんが好きであることを積極的に言っていなかったのも悪かったと思います。
しかし当時の私にはそんなことを冷静に考える余裕はありませんでした。
橋本さんが横山くんを好きになったらどうしよう・・・
どうして横山君は裏切ったんだ・・・
私だけ孤独になったらどうしよう・・・
嫉妬心、怒り、見捨てられ不安…様々な感情で頭がいっぱいになりました。
私の抜け駆け
それ以来、私は横山くんと積極的に遊ぶことが無くなっていきました。さらには、橋本さんだけを誘い、横山君には黙って遊ぶようになっていきました。
結果的に私は「私と彼女」という2人だけの閉鎖的な世界を作ることに成功しました。しかし、同時に誠実で暖かい友人であった横山くんを失ってしまったのです。私にとって横山君は貴重な友人でした。橋本さんという関係性がなければもっとずっと関係が続いていたと思います。
横山くんは横山くんで、きっと私から裏切られたと感じたと思います。20年近く経った今でも、正々堂々と横山君と話しあえばよかったと後悔しています。 もし横山君がこのブログを読んでくれていたら私に連絡ください!!
大学に行くのが嫌になる
横山くんと遊ばなくなってしまってから、大学に行く楽しみがなくなっていきました。講義もサボりがちになり、最低限の単位を取得するのみでした。
唯一の楽しみは橋本さんと遊ぶことでした。橋本さんはスレた感じがなく、素直で、純朴で、陰鬱な私に何を求めるでもなく、安定して接してくれました。
橋本さんは私の人生において、はじめて心から信用できる人になっていきました。ありがたいことに、大学1年の終わりの頃には正式に付き合うようになっていきました。
そして、橋本さんは私の人生において大きな影響を与え始めるのです。
*********
・川島達史 1981年生まれ
・社交不安症専門カウンセラー
・公認心理師 精神保健福祉士
・対人恐怖のご相談はこちら
・社交不安症チャンネルはこちら
*********